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Top > 大津絵とは > 画題覚え書き
大津絵の主要な画題の呼び方の覚え書きです。
太字のタイトルは当店での慣例としての呼び名ですが、
絶対的なものではなく、一般的な呼び名とは違う場合も多々あります。
大津絵は公式なタイトルが決まっているものではありませんので、
呼び方が多数存在するものもあります。
鬼の寒念佛(鬼の寒念仏)
「鬼の念仏」の方が一般的です。
「鬼の勧進」「鬼念仏」「鬼の空念仏」も同じ絵を指します。
米クリーブランド美術館では「鬼の巡礼」という名で展示しているという情報もありますが、これは絵の趣旨からすると間違いです。
「鬼に念仏」という呼ばれ方も見たことがありますが、これも正しいとは言えないでしょう。藤娘
舞踊の世界では「藤かつぎ娘」と呼ばれることも多いようです。
「藤の精」「藤持つ遊女」などはタイトルというよりは絵の説明としての呼び名でしょう。外法と大黒の梯子剃(〜梯子剃り)
単に「寿老人」「長頭翁」とも呼びます。
外法というのは頭の長い寿老人を指す言葉です。
この図の寿老人を「福禄寿」と説明しているのを見たこともありますが、この二神は同一神と扱われることもあるので、間違いとは言えません。弁慶の立往生(弁慶の立ち往生)
「長刀弁慶(なぎなたべんけい)」、「弁慶の七つ道具」、どちらもよく聞く呼び名ですが、同じ絵のことです。
単に「武蔵坊弁慶」「弁慶」という場合もあるようです。鬼三味線(おにじゃみせん)
一般的には「鬼の三味線」の方が通りがよいでしょう。「鬼の散財」、「鬼の放蕩」、「鬼の遊興」、「鬼の酒盛り」などと呼ばれていることもあるようです。猫と鼠の酒盛(〜酒盛り)
単に「猫と鼠」と呼ぶことも多い絵です。
「猫の酒盛り」、「酒呑み猫」と鼠を省く場合もあるようです。
「鼠と猫」、「酒呑み鼠」という場合は、この絵のことではありません。阿弥陀一尊
単に「阿弥陀仏」または「阿弥陀」と呼ぶ方が普通です。
「三尊来迎図」と区別したいときに「一尊」を付けて呼んでいます。為朝・矢の根
この図は本来は「為朝」ですが、時代が下がるにつれ「矢の根」としても扱われています。
「矢の根」としては「矢の根五郎」「曾我五郎」とも呼びます。
傘さす女
「傘美人」「傘さす遊女」「傘さす太夫」全て同じ絵を指しています。単に「太夫」と呼んでいる場合もあるようですが、同名の異図があるので、傘は省かない方が混同を避けられると思われます。一休と地獄太夫・達磨と遊女
古大津絵が一点だけ現存している図柄で、今でもそれを再現して描くことはありますが、本来の図の意図ははっきりとしていません。
図の捉え方次第で、二通りの呼び方を持っています。雷公の太鼓釣(〜太鼓釣り)
「雷の太鼓釣り」「雷と太鼓」「雷公」などと呼びます。「雷神」、「雷神と太鼓」というタイトルで飾られているのも見たことがあります。福は外
「鬼は内」「鬼の豆まき」とも呼ばれています。
「節分」という名も見ますが、その名は「福は内」の図のほうがより相応しいのではないでしょうか。鷹匠(たかしょう)
当店では慣例で「たかしょう」と呼んでいますが、普通は「たかじょう」と読みます。
「鷹持つ若衆」「鷹持つ小姓」「小姓」などとも呼ばれます。鬼と柊(ひいらぎ)
「鬼と鼠」とも呼びます。これも単に「節分」と名付けられている場合があるようです。狐と馬
「馬と狐」、「馬乗り狐」などとも呼ばれています。「稲荷」と言う場合は、この図のことかはっきりとしませんが、狐の姿からそう呼ばれてもおかしくはありません。
単に「狐」ということもあります。