H05 『十三佛』

泥地色紙

虚空蔵菩薩
大日如来
阿しゅく如来
阿弥陀如来
勢至菩薩
観世音菩薩
薬師如来
弥勒菩薩
地蔵菩薩
普賢菩薩
文殊菩薩
釈迦如来
不動明王


 初期大津絵は仏画から始まったのですが、当時の絵師達は特に宗派、仏神の別に拘らず、様々な絵を残しています。

 今現在でも人気のあるこの「十三佛」の絵は、一枚の紙の中に十三の仏様を収めたもので、法要の度に掛け替えなくてもこの一枚で済ますことができるというものです。

 いわば簡易版の仏画ですが、版木押しの顔や簡潔に描かれたそれぞれの仏の差異は、返って絵として素朴な面白さがあります。
 密教には絢爛豪華な曼陀羅とは対照的な面白さではないでしょうか。

 以下、それぞれの仏の説明を簡単に記します。


不動明王初七日) 
 不動明王は大日如来の使いで降魔の剣と、
方便自在の索を持ち仏法を守護する。

釈迦如来(二十七日) 
 釈尊、仏教の開祖。

文殊菩薩(三十七日) 
 悟りの知恵を象徴し、般若経を作られた菩薩。

普賢菩薩(四十七日) 
 阿弥陀如来の教えを体現し、諸仏の中で最賢と称せられる。

地蔵菩薩(五十七日)
 釈尊の入滅後、弥勒菩薩がこの世に現れるまで、人々を救済する仏。

弥勒菩薩(六十七日)
 釈尊の弟子で、未来の平安を約束する未来仏。

薬師如来(七十七日)
 病魔より人々を救う、衆患悉除の力を持つ。

観世音菩薩(百ヵ日)
 二十三身に変化し、広大無遍の大慈悲をもって衆生を救済する。

勢至菩薩(一周忌)
 阿弥陀如来三尊の一尊仏。念仏を行じ、人々の苦しみを解消する。

阿弥陀如来(三周忌)
 西方十万億土に観音、勢至の二菩薩を従え極楽浄土を開いた仏。
末世相応の教えを説く。

阿しゅく如来(七周忌)
 不動の菩提心を司る仏。人々に無病息災と限りなき幸せを約束する。
「あしゅく」と読む。

大日如来(十三周忌)
 大日経、金剛頂経をもって人々を説く。
大光明遍照として常に人々を照らし守る。

虚空蔵菩薩(三十三周忌)
 虚空蔵とは無尽の宝庫の意味で、
神力自在の能力で現世の人々を救済する智慧無盡蔵菩薩。





関連画像
『文殊菩薩』
『阿弥陀仏』
『法蔵菩薩』
『千手観音』
『大日如来』
『地蔵』 A
『不動明王』

ギャラリートップへ