雨宝童子

H33 『雨宝童子』

二枚綴り (泥地、軸装)

 『雨宝童子(うほうどうじ)』は、大津絵の画題としては、最初期に生まれたものの一つと思われます。
  右手に宝棒、左手に宝珠を持つのが定番の姿で、頭頂には五輪塔が描かれます。天照大神が地上に降り立った時の姿とされ、本地垂迹説により、大日如来とも同一視されています。
 蔵王権現などと同じく、神仏習合によって生まれた、日本独自の仏様です。

 江戸初期には『不動明王』や『阿弥陀仏』のように、その後も描かれ続け、大津絵仏画の代表となっていった図がたくさん生まれました。
  しかしながら、新仏画にも流行というものが存在し、『青面金剛』のように爆発的な人気を得ながら、今ではほとんど描かれなくなったものもあります。この『雨宝童子』も、そんな顧みられることのなくなっていった図柄の一つです。




関連画像
『文殊菩薩』
『法蔵菩薩』
『千手観音』
『大日如来』
『地蔵』 A
『不動明王』

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