三猿は「さんえん」とも「さんざる」とも読みます。 目・耳・口を押さえた3匹の猿の図で、「見ざる聞かざる言わざる」として古来より著名です。 もともとはエジプトの発祥ともされ、世界中で類似のモチーフの絵や彫像が存在します。 日本でも日光東照宮にある左甚五郎作と伝えられる「三猿」像が有名です。 邪なものを見ない、甘言に耳を貸さない、余計な事を言わない、という日本人に受け入れやすい戒めをもって、広く人口に膾炙しました。 青面金剛を本尊とする庚申講においても三猿は付き物で、発祥の地とされる京都の八坂庚申堂の正門上には三猿像が飾ってあります。 「見ざる聞かざる云はざるの三つよりも かまはざるこそ なほ勝りけり」 「善道(よきこと)は見聞て云へよ 悪道(あしき)をば見ざる聞ざる云はざるぞよき」 |