鬼の寒念仏G

G24 『鬼の寒念仏』 G

無地色紙

 大津絵では最も有名な図柄、『鬼の寒念仏』ですが、あまり見かけないスタイルです。
  初期(元禄期)の頃のものと比べると、筆致はやや粗く、泥絵具を薄く彩色しています。幕末期の描き殴ったような描線ではありませんので、江戸後期(18c後半)くらいに生まれたものでしょうか。

  背に番傘、手に撞木と大福帳、腹に鉦といった小道具は、『鬼の寒念仏』に共通する小道具で、この絵も例外ではありません。
  しかしながら、他図では折れている左角が、この鬼では折れずに直立しています。大津絵の『鬼の寒念仏』で、角が折れていないものは、かなり珍しいでしょう。



関連画像
『鬼の寒念佛』 A
『鬼の寒念仏』 (俳画風)
『鬼の寒念佛』 B
酔鬼

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