若衆A

W08 『若衆』 A

無地色紙

  元禄期頃より、大津絵では多くの若衆や野郎の図が制作されました。その華やかな表現方法は『藤娘』や『太夫』ような美人画に通じるものがあり、当時は“美人”、“若衆”がともに人気の風俗図であったことが分かります。

  現在なら、こういった男性図は女性が好む図柄とされそうですが、江戸期においては男性が買い求めるものであったと思われます。 衆道(男色)が受け入れられていた時代だからこそですが、大津絵の若衆の図では、春画のようなエロチックさを前面に出したものはありません。

  厳密には月代(さかやき)を剃っていない若い男性を若衆、成人した者は野郎と称されます。その分類で言えば、上図は『野郎』とされるべきですが、慣例に従い、ここでは『若衆』としてご紹介しています。




ギャラリートップへ