S03 『大津絵十牛図』

泥地 全紙

 十牛図というのは、本来、禅の教えを絵にしたものです。牛が禅の悟りを表し、それを追い求めていく姿を追うことで、最終的な悟りまでの過程を理解できる仕組みです。

  これはその十牛図を大津絵のモチーフと技法で描いたもので、四代目松山の創作です。
 鬼の姿の「尋牛」からはじまり、見跡、牧牛などを経て、捕まえた牛の上に乗って笛を吹く「騎牛帰家」、これが6番目です。その後、牛を忘れ、姿も布袋のように変わり「入鄽垂手(にってんすいしゅ)」で他の童子を導く、これが最後の段階です。

  これら十段階のうち、「騎牛帰家」と「指月(入鄽垂手)」はそれだけの絵としても人気があります。




ギャラリートップへ