B27 『藤娘』 F

和紙

 全体的に丸っこく、それほど背の高くない「藤娘」ですが、細部の表現は「藤娘 B」などに準じています。
  江戸後期には一枚版(半切)に描いたものが主流になり、こういった丸みの強調されたスタイルが多くなっていきます。

  しかし、時に荒っぽい描線が目立つ江戸末期の藤娘に比べれば、この藤娘は随分丁寧に描き込まれています。
  おそらく、この絵の初出は江戸初期に遡ることでしょう。

  パッと見た目の雰囲気こそ違うものの、「藤娘 B」とこの「藤娘 F」は、同じ絵師が創案したものかもしれません。




関連画像
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