C17 『鼠と蔵』
泥地色紙
鼠は大黒天の使いとされ、この絵の中にも小さな大黒様と小槌が描かれています。右上には蔵を省いた図もあり、その場合は『小槌と鼠』と称します。
鼠自体は大津絵に古くから登場する生き物ですが、この図のような構図は近年の創作であり、古典的な大津絵には存在しません。
右上の蔵に向かって鼠たちが運んでいるのは米俵で、蓄財と食の神、大黒天ならではの縁起の良い図柄です。
添えられた道歌も、『大黒』の図に添えるものと同じ歌です。
「上を見ず稼ぐ打ち出の小槌より萬の宝わきいづるなり」
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