金時

M17 『金時』 A

無地色紙

  『金時』とは坂田金時のことで、金太郎としてお馴染みの人物です。平安期の武者として活躍した金時ですが、今では昔話の方が有名でしょう。

  足柄山で母に育てられ、怪力無双として源頼光に見出され家来となり、酒呑童子を討つ四天王の一人となる、これが世に伝わる金太郎の伝説です。
  本当に実在した人物かは、はっきりしませんが、こういった金時の伝説は歌舞伎や浄瑠璃を通じて江戸時代の人々に広まっていきました。
 
  この『金時』Aの図では、熊と相撲を取っていたという幼少期の姿を描いています。菱形の腹掛けや、担いだマサカリが、現在では金太郎の代名詞とも言える小道具になっていますが、大津絵には登場していません。

 金太郎の図を特に好んで描いたのは、江戸の浮世絵師達でした。大津絵に金太郎図の種類が少なく、現存する古大津絵が少ないことを考えると、関西より関東で、より好まれた題材であったのかもしれません。




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