G04 『雷と奴』

無地色紙

 大津絵に登場する鬼の中では比較的”真面目な”ものの一つが「雷と奴」の雷神ですが、どことなくユーモラスな姿態はやはり大津絵のものです。
 ただ、他の鬼のように念仏を唱えたり、鼠から逃げたりといった醜態は見せていません。
 普段は威張り散らしていることであろう奴(やっこ)を、その雷鳴で怯えさしている様は雷神の面目躍如で、まさしく民衆に畏敬されていた天上の神です。

「天の為す禍は猶さくるべし 自らなせる禍はのがれがたきぞ」





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