「尉と姥」は謡曲「高砂」に登場する人物ですので、この図のことも「高砂」と呼ぶことがあります。 尉と姥は松の精であり、また、イザナギ・イザナミの二神ともされています。 夫婦和合の象徴として、結納・婚礼の飾りに使われることが多く、そういった和式の婚儀を経験された方なら、若い世代でも知っておられることの多い図柄です。 お互いが白髪になるまで年を重ねるということで、長寿の象徴ともなり、還暦や古希など長寿のお祝いでもお馴染みです。 二人の持つ箒と熊手、松、着物に描かれた鶴と亀、全て長寿を表す縁起物で、これらも「尉と姥」に付き物の小道具でしょう。 「いにしへも今もかはらぬ尉と姥 しらがもわすれ言の葉もなし」 |