お椀に箸の櫂という御馴染みの一寸法師の絵です。 身体は小さくとも、立派な「武者絵」と言えるでしょう。 坂田金時(=金太郎)や酒呑童子(源頼光)と同じく、おおよそ平安中期を舞台としたお話で、様々なバリエーションが各地に伝えられています。 室町以降に成立した『御伽草子』にも収められた話ですが、一寸法師を狡猾で計算高い人物として描くものも多いようです。 現在の弱者ながら果敢に鬼を倒すイメージは、小学唱歌の影響が強いのかもしれません。 お話の最後に打ち出の小槌で体を大きくし、財宝を得て、姫と結ばれることから、立身出世のお話として流布しています。 |